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春兎の部屋

春兎の部屋

詞1

 「アップル☆」

 まだ 僕は名も無き木だったんだ 世間も知らずに ただ 身を投げたんだ
 ココは故郷と違い 住みづらいけれど 僕の魔法で 全てを代えるのさ

 綺麗な雨に身を打たれ 清涼な風に身を震う
 小さな僕の体には 「今」と言う精一杯が詰まってんだ
 
 今は名の知られた有名な木なんだ だが 僕は年をとり過ぎてしまったのさ
 今は故郷の匂いも 忘れちまったけど あの時の思い出は残ってるのさ

 子孫 繁栄 そんな事を覚えてた 僕にできる事はそれだけだった
 自分に付けた光の粒を 別の大空に放つんだ

 たとえこの世が滅んでも 生命の声が聞けなくなっても
 小さかった頃のように 光っていけるんだ

 光を持った心のように 心にあった魔法のように





 「冷たい風」

 そんなはずじゃなかったのに 足が震えて動けない

 血を見るのが怖かったのか?
               「助けて!」と呟いている

 一人のような 冷たい心  風が吹いた気がした

 急に寒くなってきた 心が嫌になって 自分を捨てたい

 冷たい風にさらされて  悪魔にささやかれた 
 
 心が離れてしまう

 誰のせいでもない 自分が自分を嫌になる

 この場から逃げてやりたい それでも自分で動けない

 冷たい風にさらされたのは それでも嫌いな

 自分の心


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